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日本語の「〜ことがある」は、訳が似ているため同じ用法に見えやすい表現です。たとえば「この電車は遅れることがある」は、この電車がたまに遅れるという意味ですが、「京都へ行ったことがある」は京都へ行った経験があるという意味になります。見た目では「た」が一つ加わっただけでも、話している内容はすでに異なります。さらに「遅れることがあった」になると、以前のある期間に時々遅れることがあったという別の時間感覚が生まれます。そのため、「ことがある」を一まとまりの決まった訳で覚えるのではなく、前の動詞がどの形になっているかを見て、偶発的な出来事を表すのか、過去の経験を表すのかを判断する必要があります。
日本語「〜ことがある」とは?辞書形は「時々〜する」を表す
「動詞の辞書形+ことがある」は、ある動作・状態・現象がいつも起こるわけではないものの、時々現れることを表します。中国語では文脈に応じて「有時會……」「偶爾會……」「也有……的時候」などと訳されます。
ここで大切なのは、単なる確率だけではなく、「このような状況は実際に起こるが、毎回そうなるわけではない」という点です。そのため、天気、交通、システムの不具合、個人の習慣など、不規則に起こる事柄についてよく使われます。
たとえば「この電車は遅れることがある」は、この電車には時々遅延することがあると説明しており、先週の水曜日に何分遅れたかを示す必要はありません。過去に一度起きた具体的な出来事を振り返るだけなら、この用法ではありません。
- 例文:この電車は遅れることがあります。
かな:このでんしゃはおくれることがあります。
意味:この電車は時々遅れます。
不定期に起こる遅延について述べた文であり、すでに起きた特定の遅延を話しているわけではありません。 - 例文:冬でも、急に暖かくなることがあります。
かな:ふゆでも、きゅうにあたたかくなることがあります。
意味:冬でも、時々急に暖かくなります。
冬は通常寒いものの、突然暖かくなることもあるため、「〜ことがあります」を使えます。 - 例文:忙しい日は、昼ご飯を食べないことがあります。
かな:いそがしいひは、ひるごはんをたべないことがあります。
意味:忙しい日は、昼食を食べないことがあります。
前にはない形の「食べない」が使われており、「昼食を食べない」という状況自体が時々起こることを表します。
日本語「〜ことがある」の接続:肯定・否定・過去の偶発
偶発を表す基本構造は「動詞の辞書形/ない形+ことがある」です。丁寧に表現する場合は文末を「ことがあります」にし、その状況全体が過去にだけ存在した場合は「ことがあった/ありました」を使います。
| 表したい内容 | 接続形式 | 例 | ニュアンス |
| 時々する/起こる | V辞書形+ことがある | 遅れることがある | 時々遅れる |
| 時々しない/起こらない | Vない形+ことがある | 来ないことがある | 時々来ない |
| 過去のある期間に時々起こった | V辞書形/ない形+ことがあった | 遅れることがあった | その期間は時々遅れた |
| 丁寧な説明 | V辞書形/ない形+ことがあります | 使えないことがあります | 時々使えない場合がある |
ここでは、二つの「過去」を明確に区別する必要があります。「遅れることがあった」は、「時々遅れる」という偶発的な状態全体を過去に置いた表現です。一方、「遅れたことがある」は「以前遅れた経験がある」という意味で、過去の経験を確認しています。どちらにも過去形が現れますが、過去を示す位置が異なります。
日本語「〜ことがある」の三つの用法:辞書形・ない形・「ことがあった」
「〜ことがある」の用法①|辞書形はあることが時々起こることを表す
動詞が辞書形の場合、現在または一般的な状況の中で不定期に起こる出来事に焦点が置かれます。毎日決まって起こることも、これから起こることも表さず、こうした状況がまったくないわけではないと示します。
天気、交通、営業時間、設備の状態などでは、この形がよく使われます。こうした事柄は外部条件の影響を受けやすく、「いつも」と言えるほど一定の規則にしにくいからです。
- 例文:この地域では、春でも雪が降ることがあります。
かな:このちいきでは、はるでもゆきがふることがあります。
意味:この地域では、春になっても時々雪が降ります。
春の雪は決まって起こる現象ではありませんが、実際に時々起こり得るため、「降ることがあります」を使います。 - 例文:強い雨の日は、電車が遅れることがあります。
かな:つよいあめのひは、でんしゃがおくれることがあります。
意味:雨が強い日は、電車が時々遅れます。
「強い雨の日」で遅延が起こりやすい条件を先に示し、「ことがあります」によって毎回遅れるわけではないことを残しています。 - 例文:アクセスが集中すると、画面が表示されるまで時間がかかることがあります。
かな:アクセスがしゅうちゅうすると、がめんがひょうじされるまでじかんがかかることがあります。
意味:アクセスが集中すると、画面が表示されるまでに時間がかかることがあります。
システムの案内でよく使われる書き方で、特定の条件下で時々起こり得る状況を表します。
「〜ことがある」の用法②|ない形は「時々〜しない」を表す
「〜ことがある」の前には、ない形も置けます。この場合、文型全体を否定するのではなく、「あることをしない」または「あることが起こらない」という状態自体が時々現れることを表します。
「朝ご飯を食べないことがある」は時々朝食を食べないという意味です。一方、「朝ご飯を食べることがない」は、朝食を食べることがほとんどないという意味になりやすくなります。否定がどこに置かれるかで、意味は大きく異なります。
- 例文:忙しい日は、朝ご飯を食べないことがあります。
かな:いそがしいひは、あさごはんをたべないことがあります。
意味:忙しい日は、朝食を食べないことがあります。普段は食べる可能性があるものの、忙しいという条件の下で「食べない」ことが時々起こります。 - 例文:地下に入ると、スマートフォンの電波が入らないことがあります。
かな:ちかにはいると、スマートフォンのでんぱがはいらないことがあります。
意味:地下に入ると、スマートフォンの電波が時々入らないことがあります。
「入らない」は偶発的な結果であり、地下では常にまったく電波が入らないという意味ではありません。 - 例文:混雑している時間帯は、すぐに席に案内されないことがあります。
かな:こんざつしているじかんたいは、すぐにせきにあんないされないことがあります。
意味:混雑する時間帯には、すぐに席へ案内されないことがあります。
飲食店や施設の案内で例外的な状況を知らせるときに使え、「案内できません」と直接言うよりも、不定期性を含んだ表現です。
「〜ことがある」の用法③|「ことがあった」は過去のある期間に時々起こったことを表す
偶発的な状況が過去にだけ存在した場合は、後ろの「ある」を過去形の「あった」に変えられます。この場合に述べているのは、一度きりの特別な経験ではなく、過去のある期間に不定期に起こっていた状況です。
「学生の頃」「以前は」「子どもの頃」のように、時間的な背景も一緒に示されることがよくあります。こうした表現によって、「時々起こる」範囲が明確に過去へ限定されます。
- 例文:学生の頃は、授業に遅れることがありました。
かな:がくせいのころは、じゅぎょうにおくれることがありました。
意味:学生時代は、時々授業に遅れることがありました。
ここでは、以前遅れた経験があることだけを確認しているのではなく、学生時代に遅刻が時々起こっていたと述べています。 - 例文:以前は、この店でもカードが使えないことがありました。
かな:いぜんは、このみせでもカードがつかえないことがありました。
意味:以前は、この店でもカードが使えないことがありました。
「以前は」によって偶発的な状態全体が過去に限定されており、現在も同じかどうかは説明されていません。 - 例文:子どもの頃は、夜中に怖い夢を見て起きることがありました。
かな:こどものころは、よなかにこわいゆめをみておきることがありました。
意味:子どもの頃は、怖い夢を見て夜中に目を覚ますことがありました。
子どもの頃に繰り返しながらも不定期に起こっていた状況を表しており、一度きりの夢について述べているわけではありません。
日本語「〜ことがある」と「〜たことがある」の違いは?
「動詞の辞書形+ことがある」は偶発を、「動詞のた形+ことがある」は経験を表します。判断するときは、まず「ことがある」の前の動詞がた形かどうかを見ると、通常は二つの時間軸を分けやすくなります。
| 比較項目 | 「V辞書形/ない形+ことがある」 | 「Vた形+ことがある」 |
| 主な意味 | あることが時々起こる/時々起こらない | あることをした経験がある/以前起こったことがある |
| 中国語でよく使われる訳 | 有時會……、偶爾會……、有……的時候 | 曾經……、做過……、有過……的經驗 |
| 動詞の形 | 辞書形またはない形 | た形 |
| 時間的な焦点 | 現在、一般的な状況、またはある期間に繰り返し起こり得ること | 過去から現在までの人生経験や既存の経歴 |
| 反復を表すか | 表せる。不定期に時々起こることを示す | 必ずしも表さない。少なくとも一度起きていればよい |
| 特定の一回の出来事を述べるか | 通常は述べない | 特定の出来事の詳細ではなく、その経験の有無を確認する |
| 起こる回数 | 一定ではなく、何度も起こる可能性がある | 少なくとも一度。回数は重要ではない |
| よく一緒に使う時間表現 | ときどき、たまに、忙しい日は、雨の日は | 一度、何度も、今までに、以前 |
| 否定形 | Vない+ことがある=時々〜しない | Vた+ことがない=一度も〜したことがない |
| 疑問文で尋ねること | このような状況が時々起こるか | これまでにその経験があるか |
| 典型的な使用場面 | 天気、交通、生活習慣、設備の状態、偶発的な現象 | 旅行経験、食べたことのある物、したことのある事柄、人生経験 |
| 判断方法 | そのことが「時々起こる」かを見る | 「以前起きたことがあるか」を尋ねているかを見る |
| 混同しやすい点 | 「ある」があるからといって「以前〜した」と理解しない | 「た」が「こと」の前にあるときに経験の用法になる |
▌「食べることがある」と「食べたことがある」の違い|時々食べる vs 食べた経験がある
「食べることがある」が答えるのは、普段時々食べるかどうかです。「食べたことがある」が答えるのは、過去にそれを食べた経験があるかどうかです。
✅ 納豆は、朝ご飯に食べることがあります。
朝食に納豆を食べることがあります。
✅ 納豆を食べたことがあります。
納豆を食べた経験があります。
一つ目の文は、普段時々納豆を食べ、おそらく何度も食べたことがあるという意味になり得ます。二つ目の文は、人生経験の中で少なくとも一度は食べたと確認しているだけで、現在も食べるかどうかは分かりません。
▌「遅れることがあった」と「遅れたことがある」の違い|過去に時々起きた vs 以前起きたことがある
どちらも過去に関係しますが、違いは過去形がどこに置かれているかです。
✅ 学生の頃は、授業に遅れることがあった。
学生時代は、時々遅刻することがありました。
✅ 授業に遅れたことがある。
授業に遅れた経験があります。
「遅れることがあった」は、ある期間に時々現れた習慣や状況を振り返る表現です。「遅れたことがある」は、遅刻という出来事が以前に起きたことだけを確認します。
この二つの段落は比較表の後に置き、同じ場面を別の言い方で示してニュアンスを補うのに適しています。定義をもう一度説明するよりも理解しやすくなります。
▌「〜ことがある」と「〜たことがある」|同じ四月の雪でも、一方は時々起こること、もう一方は過去に起きたことを表す
「〜ことがある」と「〜たことがある」を同じ場面に置くと、違いがはっきりします。ある地域で四月に雪が降るかを確認すると仮定すると、「四月でも雪が降ることがあります」はその土地の一般的な天候を説明し、四月に必ず雪が降るわけではないものの、時々降ることがあるという意味です。「四月に雪が降ったことがあります」にすると、焦点は過去に移り、以前に四月の雪が実際にあったことを表します。前者は「このような状況が起こるか」、後者は「以前に起きたことがあるか」に答えています。
- 例文:この地域では、四月でも雪が降ることがあります。
かな:このちいきでは、しがつでもゆきがふることがあります。
意味:この地域では、四月になっても時々雪が降ります。
「降ることがあります」は、この地域で普段起こり得る天候を説明しています。四月の雪は決まった現象ではありませんが、時々起こります。 - 例文:この地域では、四月に雪が降ったことがあります。
かな:このちいきでは、しがつにゆきがふったことがあります。
意味:この地域では、以前四月に雪が降ったことがあります。
「降ったことがあります」は、過去に起きた経験の有無に焦点を置きます。四月の雪の記録があることだけを確認し、普段から四月に時々雪が降るという意味ではありません。 - 例文:四月でも雪が降ることがありますが、今年はまだ降っていません。
かな:しがつでもゆきがふることがありますが、ことしはまだふっていません。
意味:四月でも時々雪が降りますが、今年はまだ降っていません。
この文を見ると、「〜ことがある」が一般的に起こり得る状況を述べていることがさらに分かります。今年は起きていなくても、「四月には時々雪が降る」という説明には影響しません。
日本語「〜ことがある」と「ときどき」「場合がある」「〜たりする」の違い
これらの表現は、いずれも中国語で「有時」「偶爾」「有可能」などと訳されることがありますが、文が実際に注目している点は異なります。
「〜ことがある」は、ある状況が時々起こることを述べます。「ときどき」は頻度を直接示し、「場合がある」は特定の条件下で起こる可能性を正式に説明する表現に近くなります。「〜たりする」は、ある動作を複数の可能な行動の一例として挙げます。
| 比較項目 | 「〜ことがある」 | 「ときどき」 | 「〜場合がある」 | 「〜たりする」 |
| 主な機能 | ある状況が時々起こることを表す | 物事が起こる頻度を直接表す | ある条件や状況で成立する可能性を表す | 行う可能性のある動作や行為を挙げる |
| 中国語でよく使われる訳 | 有時會……、偶爾會…… | 有時、偶爾 | 有可能……、有……的情況 | 會……之類的、像是…… |
| 文法の種類 | 文型 | 頻度の副詞 | 文型 | 列挙を表す文型 |
| 主な焦点 | 「このような状況が実際に時々起こる」 | 「どのくらいの頻度で起こるか」 | 「ある条件下でこの可能性がある」 | 「どのようなことをする可能性があるか」 |
| 頻度を直接表すか | 偶発の意味はあるが、頻度の高低を正確には示さない | 表す | 主な機能ではない | 主な機能ではない |
| 特定の条件が必要か | 必須ではないが、条件とよく組み合わせる | 必要ない | 条件、理由、特定の状況とよく使う | 必要ない |
| 列挙の意味があるか | ない | ない | ない | ある |
| ほかの行動もあると示唆するか | しない | しない | しない | 通常はする |
| よく使う場面 | 日常会話、一般的な説明、お知らせ | 日常会話 | 使用説明、規則、お知らせ、一般的な説明 | 日常会話、生活の描写 |
| 文体 | 中立 | 日常的で自然 | 中立からやや書き言葉寄りで、正式な説明によく使われる | 日常的な印象が強い |
| よくある組み合わせ | 遅れることがある | ときどき遅れる | 遅れる場合がある | 遅れたりする |
| 「ときどき」と一緒に使えるか | 使える:ときどき遅れることがある | それ自体が頻度の副詞 | 使えるが、文意による | 使えるが、文の焦点が変わる |
| 答えるのに適した質問 | 「このようなことは起こるか」 | 「どのくらいの頻度で起こるか」 | 「どのような状況で起こり得るか」 | 「普段どのようなことをするか」 |
| よくある誤解 | 「以前〜した」と同じではない | 文型ではなく、副詞である | 単なる「ことがある」の正式版ではない | 単なる「時々〜する」ではない |
| 最も簡単な区別方法 | 「こういう時もある」と述べているかを見る | 単に「時々」と頻度を伝えたいかを見る | 「ある状況ではこうなる可能性がある」と説明しているかを見る | 「すること」の例を挙げているかを見る |
▌「〜ことがある」と「ときどき」の違い|偶発的な状況 vs 頻度の直接表示
「ときどき」はそれ自体が頻度の副詞で、物事が時々起こると直接伝えます。「〜ことがある」は、「このような状況も起こる」と補足する表現に近いものです。
✅ ときどき電車で寝ます。
時々電車で寝ます。
✅ 疲れていると、電車で寝てしまうことがあります。
疲れていると、電車でうっかり寝てしまうことがあります。
一つ目の文は、寝る頻度だけを示しています。二つ目は「疲れていると」という条件を先に設定し、この状況が時々起こると述べています。
「ときどき」と「〜ことがある」は、「ときどき遅れることがあります」のように一緒に使うこともできます。文法上は問題ありませんが、どちらも頻度に関する情報を補います。文脈が十分に明確なら、毎回重ねて使う必要は通常ありません。
▌「〜ことがある」と「〜場合がある」の違い|時々起こる vs 条件下で起こり得る
「〜場合がある」は規則、警告、使用説明、正式なお知らせなどでよく使われ、焦点は「特定の状況ではこのようになる可能性がある」という点に近くなります。
✅ 天候によって、電車が遅れることがあります。
天候によっては、電車が時々遅れることがあります。
✅ 悪天候の場合、運行を中止する場合があります。
悪天候の際は、運行を中止する場合があります。
一つ目は一般的な注意として、遅延が時々起こることを説明しています。二つ目は運行規則や正式な注意事項に近く、特定の条件下で運休措置を取る可能性があると説明しています。
両者は一部の場面で置き換えられますが、「場合がある」は通常、「ことがある」よりも正式な文書らしい印象があります。
▌「〜ことがある」と「〜たりする」の違い|偶発的な状況 vs 可能な行動の列挙
「〜たりする」の最も重要な機能は頻度ではなく、例を挙げることです。「週末は映画を見たりする」は、週末には映画を見るなどのことをすると表し、ほかにも活動があることを示唆します。
✅ 週末は一人で映画を見ることがあります。
週末は時々一人で映画を見ます。
✅ 週末は映画を見たり、カフェに行ったりします。
週末は映画を見たり、カフェに行ったりします。
一つ目は「一人で映画を見る」ことが時々起こるとだけ述べます。二つ目は週末の活動を列挙しており、それぞれの活動がどのくらいの頻度で起こるかを特に示してはいません。
▌「〜ことがある」と「〜こともある」の違い|単純な偶発 vs 別の状況の補足
「〜こともある」と「〜ことがある」はどちらも偶発を表せますが、「も」には「普段は別の状況かもしれないが、こういう時もある」という対比が含まれることがよくあります。
✅ 忙しい日は、昼ご飯を食べないことがあります。
忙しい日は、昼食を食べないことがあります。
✅ 普段は自炊しますが、忙しい日は外で食べることもあります。
普段は自炊しますが、忙しい日は外で食べることもあります。
二つ目の文では、普段は自炊すると先に述べたうえで、「こともある」によって別の可能性を補っているため、「そうする時もある」という意味が特にはっきりしています。
▌「〜ことがある」「ときどき」「場合がある」「〜たりする」|同じ電車の遅延でも、文が注目する点は異なる
どれも「電車は毎回時間どおりではない」という話をしていると仮定しても、四つの表現はそれぞれ別の点に注意を向けます。「遅れることがある」は、この路線に時々遅延する状況が実際にあると補足します。「ときどき遅れる」は頻度を直接示します。「遅れる場合がある」は、特定の条件下で遅れる可能性を知らせる表現に近くなります。「遅れたりする」は、遅延を起こり得る状況の一つとして挙げ、通常はほかの出来事もあり得るという印象を残します。中国語ではどれも「有時」「可能」などと訳されることがありますが、日本語の文が実際に伝えようとする情報は異なります。
- 例文:この路線は、強い雨の日に遅れることがあります。
かな:このろせんは、つよいあめのひにおくれることがあります。
意味:この路線は、雨が強い日に時々遅れます。
「遅れることがあります」は、遅延という状況が実際に時々起こると述べています。どのくらいの頻度かは特に示さず、大雨なら必ず遅れるという意味でもありません。 - 例文:この路線は、強い雨の日にはときどき遅れます。
かな:このろせんは、つよいあめのひにはときどきおくれます。
意味:この路線は、雨が強い日には時々遅れます。
「ときどき」に変えると、文の焦点は頻度に近づき、「遅延は時々起こる」と直接伝えます。「ことがある」のように「このような状況がある」と補足する表現とは少し異なります。 - 例文:悪天候により、電車が遅れる場合があります。
かな:あくてんこうにより、でんしゃがおくれるばあいがあります。
意味:悪天候により、電車が遅れる可能性があります。
「場合があります」はお知らせや説明文に近く、悪天候という条件を先に示したうえで、その条件下では遅延の可能性があると知らせます。実際の頻度を伝えているわけではありません。 - 例文:天気が悪いと、電車が遅れたりします。
かな:てんきがわるいと、でんしゃがおくれたりします。
意味:天気が悪いと、電車が遅れるなどのことがあります。
「遅れたりします」は、天気が悪いときに起こり得る状況の一つとして遅延を挙げています。「ことがある」ほど遅延そのものに焦点を当てず、「ときどき」のように頻度を直接示すわけでもなく、ほかにも可能な状況があるという余地を残します。
日本旅行でよく見かける「〜ことがあります」:列車・天気・支払いの場面
旅行中に「〜ことがあります」を見かけた場合、その多くは不定期な例外を知らせています。たとえば、列車が遅れる可能性、山間部では春でも雪が降る可能性、通信状況によってクレジットカードが使えないことなどです。
この表現は、そのことが今起きているという意味でも、必ず起こるという意味でもありません。旅行の予定を立てる前に、遭遇する可能性のある状況を明確に伝えるだけなので、交通機関や施設のお知らせで特に実用的です。
▌場面①|列車が遅れやすいか確認する
A:この路線は遅れることがありますか。
このろせんはおくれることがありますか。
この路線は時々遅れますか?
B:はい。大雨や強風のときは、遅れることがあります。
はい。おおあめやきょうふうのときは、おくれることがあります。
はい。大雨や強風のときは、時々遅れることがあります。
📌 文法ポイント:「遅れることがあります」は、この路線に偶発的な遅延があるかを確認する表現であり、以前に一度でも遅れたことがあるかを尋ねているのではありません。
▌場面②|山間部の春の天気を尋ねる
A:四月でも雪が降りますか。
しがつでもゆきがふりますか。
四月でも雪は降りますか?
B:毎年ではありませんが、雪が降ることがあります。
まいとしではありませんが、ゆきがふることがあります。
毎年ではありませんが、時々雪が降ります。
📌 文法ポイント:「毎年ではありません」で規則的に起こることを先に否定し、「降ることがあります」で、それでも雪が降ることが時々あると説明しています。
▌場面③|店がクレジットカードの支払い状況を説明する
A:クレジットカードは使えますか。
クレジットカードはつかえますか。
クレジットカードは使えますか?
B:はい。ただ、通信状況によって使えないことがあります。
はい。ただ、つうしんじょうきょうによってつかえないことがあります。
はい。ただし、通信状況によっては使えないことがあります。
📌 文法ポイント:「使えないことがあります」は、クレジットカードが使えないという意味ではなく、「使えない」という例外が時々起こることを表しています。
文化に関する補足:
- 日本の交通機関や施設の案内では、「〜ことがあります」を使って例外的な状況を知らせることがよくあります。「遅れることがあります」「利用できないことがあります」のような表現は、必ずそうなると保証するものではなく、遭遇する可能性のある状況をあらかじめ説明しています。
- お知らせで条件や対応方法をより正式に説明する必要がある場合は、「〜場合があります」もよく見られます。そのため、「ことがあります」と「場合があります」は旅行中の案内でどちらもよく使われますが、後者のほうが規則や書き言葉の印象が通常はより明確です。
- 「〜ことがあります」自体にすでに偶発の意味があります。「まれに」「たまに」「ときどき」を加えても誤りではありませんが、頻度がより具体的になります。「まれに〜ことがあります」は、発生率が非常に低いものの、完全には排除できないことを表すのに特に適しています。
日本語「〜ことがある」と韓国語「-(으)ㄹ 때가 있다」の対応はどう理解する?
◆ 類似文法:韓国語「-(으)ㄹ 때가 있다」
韓国語の「-(으)ㄹ 때가 있다」は、文字どおりには「〜する時がある」に近く、あることがいつも起こるわけではないものの、時々起こることを表せます。天気、生活習慣、過去のある期間の不規則な状況を説明するときは、日本語の「動詞の辞書形/ない形+ことがある」にかなり近い表現です。
韓国語の日常会話では、「가끔 늦어요」のように副詞「가끔」を直接使うこともよくあります。これは日本語の「ときどき遅れます」に近く、「늦을 때가 있어요」と言えば、日本語の「遅れることがあります」により近くなります。
- 例文:봄에도 눈이 올 때가 있어요.
ローマ字:bom-e-do nun-i ol ttae-ga i-sseo-yo.
日本語:春でも、時々雪が降ります。
「올 때가 있다」は、春の雪が決まって起こる現象ではないものの、時々起こることを表し、日本語の「春でも雪が降ることがある」に近い表現です。 - 例文:바쁜 날에는 아침을 안 먹을 때가 있어요.
ローマ字:ba-ppeun nal-e-neun a-chim-eul an meo-geul ttae-ga i-sseo-yo.
日本語:忙しい日は、朝食を食べないことがあります。
韓国語では、「朝食を食べない」時が時々あると表し、日本語のない形+「ことがある」に近いニュアンスになります。 - 例文:학생 때는 수업에 늦을 때가 있었어요.
ローマ字:hak-saeng ttae-neun su-eop-e neu-jeul ttae-ga i-sseo-sseo-yo.
日本語:学生時代は、時々授業に遅れることがありました。
「있었어요」は、偶発的な遅刻が起こる時間範囲を過去に置いており、一度遅刻した経験を確認するだけではありません。
◆ 「〜ことがある」との主な違い:
韓国語の「-(으)ㄹ 때가 있다」は、「〜する時がある」という形で偶発的な状況を直接表します。一方、日本語では形式名詞「こと」に「ある」を加えます。韓国語では「가끔+動詞」で頻度を直接表すことも多いため、実際の翻訳で毎回「-(으)ㄹ 때가 있다」を固定的に当てはめる必要はありません。
「〜ことがある」は、いくつもの中国語訳を丸暗記する必要はありません。「降ることがある」なら時々雪が降ること、「降ったことがある」なら以前雪が降ったこと、「降ることがあった」なら過去のある期間に時々雪が降ったことを表します。この三文を並べると、「有時會」「曾經」といった訳だけを覚えるより、違いを直接理解できます。その後で「こともある」「場合がある」のような似た形に出会っても、文が頻度、過去の経験、または特定の条件下で起こり得ることのどれを述べているかを先に見れば判断しやすくなります。
よくある質問
「遅れることがあった」は、過去のある期間に時々遅れたことを表します。「遅れたことがある」は、以前に遅れた経験があることを表します。前者は「ある」を過去形にして偶発の意味を残し、後者は動詞「遅れる」をた形にするため、焦点が完了した過去の経験へ移ります。
使えますが、必ずしも必要ではありません。「ときどき」は頻度を直接示し、「〜ことがある」自体にも時々起こるという意味があります。「ときどき遅れることがあります」は文法的に正しいものの、一般的な文ではどちらか一方だけでも意味を十分に伝えられることがよくあります。「まれに」などの副詞を使えば、頻度が非常に低いことをより明確に示せます。
置けます。否定の状態が時々現れるという意味です。「朝ご飯を食べないことがある」は時々朝食を食べないこと、「カードが使えないことがある」はカードが時々使えないことを表します。いつも食べない、または常に使えないという意味ではありません。
「V辞書形+ことがある」は偶発を、「Vた形+ことがある」は過去の経験を表します。「京都では雪が降ることがある」は京都では時々雪が降るという意味で、「京都へ行ったことがある」は以前京都へ行った経験があるという意味です。
「動詞の辞書形/ない形+ことがある」は、あることが時々起こる、またはある行動が時々現れることを表します。不定期に繰り返し起こり得る状況を説明し、たとえば「電車が遅れることがある」は電車が時々遅れるという意味です。