日本語「〜とはいえ」の使い方は?意味・接続・類似表現との違い

「近い」なら必ず便利なのでしょうか。日本語では、必ずしもそうとは限りません。「駅から近いとはいえ、歩くと二十分かかる」は、距離がそれほど遠くないことを先に認めたうえで、判断に影響する別の事実を補っています。実際に歩くと20分かかるということです。日本語の「〜とはいえ」は、中国語では「雖說」「儘管如此」などと訳されますが、訳語だけを覚えると「といっても」「けれども」と混同しやすくなります。「〜とはいえ」が表すのは、条件付きの承認です。前の内容は間違っていませんが、その事実だけで結論を出すことはできません。

この表現は、ニュース、評論、報告書、仕事上の話し合いでよく使われます。日常会話でも使われますが、一般的な「けれども」より少し正式な印象があります。

日本語「〜とはいえ」の意味|前項を認めたうえで、無視できない条件を補う

「〜とはいえ」は、話し手が前に述べられた事実、評価、立場が成立することを認め、その後で制限、例外、異なる結果を付け加える表現です。前項を否定するのではなく、より完全な状況の中に置き直して考えます。

例えば「安いとはいえ、毎月払うのは大変だ」は、価格が安いことを否定していません。話し手は、「安い」という事実だけでは、継続的な支払いに負担がないとは判断できないと考えています。文全体で本当に伝えたい判断は、後ろの「毎月払うのは大変だ」にあります。

ここが「〜とはいえ」と一般的な逆接の違いです。単に相反する二つの事実を並べるのではなく、ある見方をいったん受け入れたうえで、別の条件も無視できないと示します。

例文:便利とはいえ、毎日使うには料金が高い。
読み方:べんりとはいえ、まいにちつかうにはりょうきんがたかい。
意味:便利とはいえ、毎日使うには料金が高いです。
便利という長所は確かにありますが、話し手は便利さだけを理由に価格を無視できるとは考えていません。

例文:有名な店とはいえ、いつもおいしいとは限らない。
読み方:ゆうめいなみせとはいえ、いつもおいしいとはかぎらない。
意味:有名な店とはいえ、いつもおいしいとは限りません。
店が有名なのは事実ですが、後項では「有名なら必ずおいしい」という推論を否定しています。

例文:冗談とはいえ、言ってはいけないこともある。
読み方:じょうだんとはいえ、いってはいけないこともある。
意味:冗談とはいえ、言ってはいけないこともあります。
話し手は、もともと悪意がなかったことは認めていますが、冗談を理由に発言の影響を無視することは認めていません。

日本語「〜とはいえ」の接続ルール

「〜とはいえ」は、動詞、い形容詞、な形容詞、名詞に接続できます。動詞とい形容詞は普通形に接続します。な形容詞と名詞はそのまま「とはいえ」を付けることが多く、正式な文章では「であるとはいえ」も使えます。

接続自体はそれほど複雑ではありませんが、な形容詞では間違いが起きやすくなります。な形容詞を直接「とはいえ」へ接続するときは「な」を残さないため、「便利なとはいえ」とは言えません。

接続する語接続方法
動詞動詞普通形+とはいえ知っているとはいえ
い形容詞い形容詞普通形+とはいえ安いとはいえ
な形容詞語幹+(だ)とはいえ便利とはいえ/便利だとはいえ
な形容詞の正式形語幹+であるとはいえ便利であるとはいえ
名詞名詞+(だ)とはいえ学生とはいえ/学生だとはいえ
名詞の正式形名詞+であるとはいえ学生であるとはいえ

な形容詞を直接接続するときは、「な」を削除します。

❌ 便利なとはいえ
✅ 便利とはいえ
✅ 便利であるとはいえ

名詞はそのまま「とはいえ」に接続することも、「であるとはいえ」に接続することもできます。「であるとはいえ」は書き言葉の印象が強く、報告書、論文、正式な評論でよく使われます。

日本語「〜とはいえ」の主な使い方|長所・立場・成果へ制限を加える

「〜とはいえ」を使う文はいずれも譲歩を含みますが、前項で認める内容は同じではありません。長所を認める場合もあれば、身分や関係を認める場合、数値や成果を認める場合もあります。前項で何を認めているかを区別すると、後項に置かれた保留の意味を理解しやすくなります。

「〜とはいえ」の使い方①|長所を認めた後で現実的な制限を補う

この用法では、ある長所が存在することを先に説明し、その後で実際に利用するときの問題を補います。前項には「安い、便利、距離が近い、評価が高い」などの肯定的な条件が置かれ、後項には費用、時間、その他の制限が置かれます。

話し手は、その長所を否定したいのではありません。ただし、その長所だけを唯一の判断基準にしたくないと考えています。宿泊施設のレビュー、商品評価、仕事上の提案でよく見られる使い方です。

例文:安いとはいえ、毎月払うには負担が大きい。
読み方:やすいとはいえ、まいつきはらうにはふたんがおおきい。
意味:安いとはいえ、毎月支払うには負担が大きいです。
1回あたりの価格は高くなくても、毎月支払い続けると予算を超える可能性があります。

例文:最寄り駅とはいえ、自転車で二十分かかる。
読み方:もよりえきとはいえ、じてんしゃでにじゅっぷんかかる。
意味:最寄り駅とはいえ、自転車で20分かかります。
「最寄り駅」は、ほかにもっと近い駅がないことを示すだけで、移動が必ず便利であることを意味しません。

例文:評価が高いとはいえ、すべての人に合う商品ではない。
読み方:ひょうかがたかいとはいえ、すべてのひとにあうしょうひんではない。
意味:評価が高いとはいえ、すべての人に合う商品ではありません。
インターネット上の評価は参考になりますが、個人の使用条件に代わるものではありません。

「〜とはいえ」の使い方②|身分や関係を認めたうえで責任を示す

身分、職業、人間関係の後ろに付く場合、「〜とはいえ」は、その身分が成立することは認めても、それを理由に責任、規則、礼儀が免除されるわけではないと示します。

この種の文は、忠告、批判、規則説明でよく使われます。直接「してはいけない」と言うより少し緩衝がありますが、後項の立場は通常明確です。

例文:親しい間柄とはいえ、最低限の礼儀は必要だ。
読み方:したしいあいだがらとはいえ、さいていげんのれいぎはひつようだ。
意味:親しい関係とはいえ、最低限の礼儀は必要です。
親しい関係なら気楽に接することはできますが、失礼な言動の理由にはなりません。

例文:学生とはいえ、自分の発言には責任を持つべきだ。
読み方:がくせいとはいえ、じぶんのはつげんにはせきにんをもつべきだ。
意味:学生とはいえ、自分の発言には責任を持つべきです。
学生という立場は認めていますが、年齢や経験の少なさによって責任がなくなるとは考えていません。

例文:初心者とはいえ、安全確認を省くことはできない。
読み方:しょしんしゃとはいえ、あんぜんかくにんをはぶくことはできない。
意味:初心者とはいえ、安全確認を省くことはできません。
操作に慣れていないことは理解できますが、必要な安全手順は完了する必要があります。

「〜とはいえ」の使い方③|成果を認めた後で未解決の問題を補う

報告書、ニュース、評論では、数値や成果を扱うために「〜とはいえ」がよく使われます。前項では状況が改善したことを示し、後項でまだ解決されていない部分を補います。

この表現を使うと、一つの数字だけを見て結論を出すことを避けられます。利用者数が増えたからといって、会社が利益を出しているとは限りません。問題が減ったからといって、完全に消えたとは限りません。

例文:利用者が増えたとはいえ、採算はまだ安定していない。
読み方:りようしゃがふえたとはいえ、さいさんはまだあんていしていない。
意味:利用者が増えたとはいえ、採算はまだ安定していません。
利用者数は肯定的なデータですが、運営状況が良好であることを直接証明するものではありません。

例文:以前より改善されたとはいえ、同じ問題はまだ起きている。
読み方:いぜんよりかいぜんされたとはいえ、おなじもんだいはまだおきている。
意味:以前より改善されたとはいえ、同じ問題はまだ起きています。
状況は確かに改善していますが、問題が完全に解決したと判断できるほどではありません。

例文:情報が多いとはいえ、すべてが信頼できるとは限らない。
読み方:じょうほうがおおいとはいえ、すべてがしんらいできるとはかぎらない。
意味:情報が多いとはいえ、すべてが信頼できるとは限りません。
情報量と信頼性には必然的な関係がないため、資料が多いことを理由に確認を省略できないと示しています。

日本語「〜とはいえ」「といっても」「けれども」の違いを徹底比較

「〜とはいえ」「といっても」「けれども」は、いずれも「雖然」「雖說」「不過」と訳される場合がありますが、それぞれが扱う内容は異なります。

「〜とはいえ」は、あることが成立すると認めたうえで、別の条件を無視してはいけないと示します。「といっても」は、聞き手が抱く可能性のあるイメージを修正するときによく使い、「そうは言っても、実際にはそこまでではない」という意味になります。「けれども」は一般的な逆接で、使用範囲が最も広い表現です。

比較項目〜とはいえ〜といっても〜けれども
基本機能前項を認め、保留や制限を加える名称・程度・印象を修正する一般的な逆接を表す
話し手の態度前項は認めるが、過度な推論は認めない聞き手が大きく想像しすぎる可能性があるため補足する前後の内容が異なることを説明する
前後の関係後項が前項から導ける結論を制限する後項が前項の実際の範囲を狭める前後に対比があれば使える
文体やや正式・書き言葉的やや口語的会話・文章の両方で使える
よく使う場面評論、報告、ニュース、正式な議論会話、自己補足、程度の説明日常会話、文章、前置き
後項の重要性後項が主な判断になることが多い後項が実際の状況を説明する前後どちらが重要かは内容による
「実際はそこまでではない」という意味必ずしもないよくある必ずしもない
批判を柔らかくできるかできるあまり使わないできるが、意味はより一般的
中国語に近い感覚雖說如此,但仍然……雖然說是……,其實也只是……雖然……但是……

「〜とはいえ」と「といっても」の違い|結論を制限するか、印象を修正するか

「〜とはいえ」の前項は通常事実であり、後項で無視できない別の条件を加えます。「といっても」は、話し手が聞き手の程度に関する誤解を心配し、後項で想像を現実へ戻すときによく使われます。

例えば、誰かが「料理ができます」と言うと、聞き手は料理が得意だと思うかもしれません。その後に「簡単なものだけです」と加える場合、「といっても」を使って「料理ができる」の範囲を狭めます。

「〜とはいえ」は、その事実を結論の根拠にできるかどうかを問題にします。「といっても」は、前の表現が実際にはどの程度なのかを説明します。

「〜とはいえ」
例文:料理ができるとはいえ、毎日作っているわけではない。
読み方:りょうりができるとはいえ、まいにちつくっているわけではない。
意味:料理ができるとはいえ、毎日作っているわけではありません。
話し手は料理をする能力があることを認めていますが、それを理由に毎日料理をしていると判断することはできません。

「といっても」
例文:料理ができるといっても、簡単なものだけです。
読み方:りょうりができるといっても、かんたんなものだけです。
意味:料理ができるといっても、簡単なものだけです。
後項で「料理ができる」の程度を狭め、料理が非常に得意だという誤解を防いでいます。

次の二つの文は、どちらも中国語では「雖說很近」と訳せますが、ニュアンスは異なります。

例文:駅に近いとはいえ、毎日歩くのは大変だ。
読み方:えきにちかいとはいえ、まいにちあるくのはたいへんだ。
意味:駅に近いとはいえ、毎日歩くのは大変です。
駅に近いことは認めていますが、後項で日々の移動による実際の負担を補っています。

例文:駅に近いといっても、歩いて二十分ぐらいかかる。
読み方:えきにちかいといっても、あるいてにじゅっぷんぐらいかかる。
意味:駅に近いといっても、歩いて20分ほどかかります。
話し手は「近い」という表現が誤解を招く可能性があると考え、実際には想像ほど近くないことを補足しています。

「〜とはいえ」と「けれども」の違い|条件付きの承認と一般的な逆接

「けれども」は、前後の内容に対比があれば使えます。誤った結論につながる可能性がある前提を先に認める必要はありません。そのため、「〜とはいえ」より中立的で、日常会話でも頻繁に使われます。

「〜とはいえ」には、評価や論述を行う印象があります。話し手は、既存の考え方へ「確かにそうですが、そこから直接その結論を出すことはできません」と応じているように聞こえます。

「〜とはいえ」
例文:値段が安いとはいえ、品質まで良いとは限らない。
読み方:ねだんがやすいとはいえ、ひんしつまでよいとはかぎらない。
意味:値段が安いとはいえ、品質まで良いとは限りません。
後項で、「安いならお得で、品質も良い」という過度な推論を防いでいます。

「けれども」
例文:値段は安いけれども、デザインがあまり好きではない。
読み方:ねだんはやすいけれども、デザインがあまりすきではない。
意味:値段は安いけれども、デザインはあまり好きではありません。
価格と個人の好みという異なる二つの情報を並べているだけで、明確な論述や結論の修正はありません。

「けれども」は、依頼を柔らかくしたり、次の発言への前置きとして使ったりすることもできます。この用法は「〜とはいえ」へ置き換えられません。

例文:少し聞きたいことがあるんですけれども。
読み方:すこしききたいことがあるんですけれども。
意味:少し聞きたいことがあるのですが。
文末の「けれども」は譲歩を表しておらず、質問を切り出す語気を柔らかくしています。

❌ 少し聞きたいことがあるとはいえ。

この文には、前項を認めた後で保留を加える関係がないため、「〜とはいえ」へ置き換えることはできません。

同じ場面で三つの表現を使うと、ニュアンスはどう変わる?

駅からそれほど遠くないものの、実際の宿泊には別の欠点があるホテルを説明するとします。三つの表現によって異なる点を伝えられます。

例文:駅に近いとはいえ、荷物を持って坂を上るのは大変だ。
読み方:えきにちかいとはいえ、にもつをもってさかをのぼるのはたいへんだ。
意味:駅に近いとはいえ、荷物を持って坂を上るのは大変です。
「駅に近い」という事実だけでは、宿泊場所が便利だと判断できないことを示しています。

例文:駅に近いといっても、歩いて十五分ぐらいかかる。
読み方:えきにちかいといっても、あるいてじゅうごふんぐらいかかる。
意味:駅に近いといっても、歩いて15分ほどかかります。
「近い」という言葉から想像されるほど、実際には近くないことを説明しています。

例文:駅に近いけれども、周りに店が少ない。
読み方:えきにちかいけれども、まわりにみせがすくない。
意味:駅に近いけれども、周辺には店が少ないです。
交通上の距離と周辺環境の違いを、一般的な対比として説明しています。

「〜とはいえ」「といっても」「けれども」の選び方

三つの表現がすべて「雖然」と訳せる場合は、話し手がどの問題を扱おうとしているか確認します。

「前の内容は確かに正しいが、それだけで結論を出せない」と伝える場合は、「〜とはいえ」を使います。

「そうは言っても、実際の程度は想像ほど高くない」と伝える場合は、「といっても」を使います。

二つの内容を一般的に対比する場合や、表現を少し柔らかくする場合は、「けれども」を使います。

簡単に整理すると、次のようになります。

「前項は成立するが、直接その結論を出すことはできない」:〜とはいえ

「前の表現は大きな印象を与えるが、実際はこの程度である」:〜といっても

「前後の内容が異なる、または反対である」:〜けれども

日本語「〜とはいえ」の実用場面|宿泊・交通・仕事の話し合い

「〜とはいえ」は、旅行案内、宿泊施設のレビュー、仕事上の話し合いで便利な表現です。これらの場面では、肯定的または否定的な一つの答えだけでは不十分で、ある情報を認めた後で現実的な条件を補う必要があります。

例えば、宿泊施設は駅に近いものの急な坂があります。新しい案への反応は良いものの、費用面の問題が残っています。「〜とはいえ」を使えば、両方の情報を一つの文に入れられ、前の肯定をすぐに取り消したようにも聞こえません。

場面①|宿泊場所と駅の距離を尋ねる

旅行者が宿泊場所は駅に近いかと尋ねた場合、「近いです」とだけ答えると、歩きやすい場所だと思われる可能性があります。周辺に坂道や階段がある場合は、「〜とはいえ」を使って補足すると、より完全な情報になります。

A:ここは駅に近いですか。
  ここはえきにちかいですか。
  ここは駅に近いですか。

B:近いとはいえ、坂が多いので、荷物があると大変です。
  ちかいとはいえ、さかがおおいので、にもつがあるとたいへんです。
  近いとはいえ、坂が多いため、荷物があると大変です。

📌 文法ポイント:距離が近いという情報は間違っていません。後項で、実際の移動に影響する坂道という条件を補っています。

場面②|新しい案の成果を話し合う

仕事の場面では、成果と問題を同時に説明する必要があります。「〜とはいえ」を使うと、結果が悪くなかったことを認めたうえで、まだ修正が必要な部分を示せます。

A:新しい案は成功でしたか。
  あたらしいあんはせいこうでしたか。
  新しい案は成功しましたか。

B:反応は良かったとはいえ、費用の問題は残っています。
  はんのうはよかったとはいえ、ひようのもんだいはのこっています。
  反応は良かったとはいえ、費用の問題は残っています。

📌 文法ポイント:肯定的な反応は認めていますが、それを理由に費用の問題を省略することはできません。

場面③|ホテルの設備について話す

ホテルの評価が「良い」「悪い」だけで完結することはほとんどありません。立地、部屋の広さ、設備の状態にはそれぞれ長所と短所があります。「〜とはいえ」は、このような条件付きの評価を補うのに適しています。

A:このホテルは便利ですか。
  このホテルはべんりですか。
  このホテルは便利ですか。

B:立地は便利とはいえ、部屋はかなり狭いです。
  りっちはべんりとはいえ、へやはかなりせまいです。
  立地は便利とはいえ、部屋はかなり狭いです。

📌 文法ポイント:立地が便利であることと、部屋が狭いことは同時に成立します。後項では、宿泊先の選択へ影響する別の条件を補っています。

文化知識の補足

日本の正式な話し合いでは、相手の意見の中で妥当な部分を先に認め、その後で異なる判断を示すことがあります。「〜とはいえ」はこの順序に適しています。前項を完全には否定せず、後ろの反対意見も曖昧にしません。

「〜とはいえ」は、単に言い方を丁寧にするための表現ではありません。前項は、話し手が本当に認めている内容でなければなりません。前の主張がまったく成立していない場合に無理に「〜とはいえ」を加えると、文の論理が不自然になります。

ニュースや評論で使われる「〜とはいえ」では、後項のほうが筆者の立場に近いことが一般的です。前項では一つのデータや一般的な見方を認め、後項で筆者が無視できないと考える問題を補います。

日本語「〜とはいえ」と韓国語「-기는 하지만」の対応

韓国語の「-기는 하지만」と日本語の「〜とはいえ」は、どちらも前項を認めた後で、対照的な内容や保留を補えます。いずれも「雖說……但是……」と訳すことができ、文の考え方もよく似ています。

ただし、韓国語の「-기는 하지만」は日常会話でも非常によく使われ、口語的に使うこともできます。日本語の「〜とはいえ」は、書き言葉、評論、やや正式な会話で使われることが多い表現です。日常的な日本語で軽く言う場合は、「けれども」や「といっても」を使うことが多くなります。

◆ 類似文法:韓国語「-기는 하지만」

例文:가깝기는 하지만 걸으면 이십 분 정도 걸려요.
ローマ字:ga-kkap-gi-neun ha-ji-man geo-reu-myeon i-sip bun jeong-do geol-lyeo-yo.
意味:近いとはいえ、歩くと20分ほどかかります。
前項で距離が遠くないことを認め、後項で実際の徒歩時間を補っています。「近いとはいえ、歩くと二十分ぐらいかかります」と近い意味です。

例文:경험이 있기는 하지만 혼자 맡기기에는 아직 일러요.
ローマ字:gyeong-heom-i it-gi-neun ha-ji-man hon-ja mat-gi-gi-e-neun a-jik il-leo-yo.
意味:経験はあるとはいえ、今すぐ一人で任せるにはまだ早いです。
前項で関連する経験があることを認め、後項で現時点では単独で任せるのに適していないと示しています。

例文:이용자가 늘기는 했지만 수익은 아직 안정적이지 않아요.
ローマ字:i-yong-ja-ga neul-gi-neun haet-ji-man su-ig-eun a-jik an-jeong-jeok-i-ji an-a-yo.
意味:利用者は増えたとはいえ、収益はまだ安定していません。
利用者数の増加は肯定的な情報ですが、後項で運営状況がまだ安定していないことを補っています。

◆ 「〜とはいえ」との違い:
韓国語の「-기는 하지만」は、友達との会話、日常的な説明、正式な文章のいずれでもよく使われます。日本語の「〜とはいえ」も会話で使えますが、意見を整理したり、留保を加えたりする印象が強くなります。

また、「-기는 하지만」は、後項を最後まで言わなくても、「そうではあるけれど……」という意味を残せます。例えば「맛있기는 하지만……」は、値段が高い、量が少ない、もう一度行きたいほどではないといった内容を暗示できます。日本語でも「おいしいとはいえ……」と保留を残すことはできますが、日常会話では「おいしいけれど……」や「おいしいといっても……」のほうが自然な場合が多くなります。

「〜とはいえ」で最も覚えやすいのは、中国語でどの言葉に訳せるかではなく、前項と後項の役割です。前半は承認を担当し、後半に話し手が本当に補足したい判断が置かれます。

ニュース、評論、仕事上の文書で「〜とはいえ」を見た場合は、「雖然」と訳しただけで止まらず、後項まで読む必要があります。そうすれば、筆者が何を認め、どの条件を無視できないと考えているのかがわかります。日常会話で一般的な逆接を表すだけなら「けれども」、程度に関する相手の想像を修正したいなら「といっても」のほうが実際の語感に合います。

よくある質問 FAQ


日本語「〜とはいえ」の基本的な意味は何ですか?

「〜とはいえ」は、前項が成立することを認めたうえで、制限、対照的な内容、保留を加える表現です。中国語では「雖說」「儘管如此」「話雖如此」などと訳されます。
この文型は前の内容を直接否定しません。例えば「便利とはいえ、料金が高い」は、便利であることを認めています。ただし、料金が高いことも考慮すべき条件だと示しています。文の主な判断は後項に置かれることが一般的です。

「〜とはいえ」と「といっても」は何が違いますか?

「〜とはいえ」は、ある事実が成立することを認め、その事実だけで結論を出してはいけないと示します。「といっても」は、聞き手が名称や程度を大きく想像しすぎないように修正する表現で、「そうは言っても、実際にはそこまでではない」という意味があります。
例えば「料理ができるとはいえ、毎日作るわけではない」は、「料理ができる」ことから導ける結論を制限しています。「料理ができるといっても、簡単なものだけだ」は、「料理ができる」という実際の程度を狭めています。

「〜とはいえ」と「けれども」は置き換えられますか?

一部の文では置き換えられますが、ニュアンスが変わります。「けれども」は一般的な逆接で、前後の二つの内容に違いがあれば使えます。「〜とはいえ」は、前項を認めたうえで保留を加える判断が含まれます。
「安いけれども、使いにくい」は、安さと使いにくさを対比しているだけです。「安いとはいえ、必要のない物まで買うべきではない」は、安さを不必要な商品を買う理由にしてはいけないと示しています。
また、「けれども」は「聞きたいことがあるんですけれども」のように、文末で依頼を柔らかくできます。この用法を「〜とはいえ」へ置き換えることはできません。

「〜とはいえ」の前にはどのような語を置けますか?

「〜とはいえ」は、動詞普通形、い形容詞普通形、な形容詞の語幹、名詞へ接続できます。動詞では「知っているとはいえ」、い形容詞では「安いとはいえ」、な形容詞では「便利とはいえ」、名詞では「学生とはいえ」のように使います。
な形容詞を直接接続するときは「な」を残さないため、「便利なとはいえ」は不自然です。正式な文章では、「便利であるとはいえ」「学生であるとはいえ」も使用でき、直接「とはいえ」を付ける形より書き言葉的です。

「〜とはいえ」は日常会話でも使えますか?

使えますが、「けれども」や「といっても」より正式な印象があります。仕事上の話し合い、ニュース評論、配慮しながら反対意見を述べる場面では自然です。
友達との会話で一般的な逆接を表すだけなら、「けれども」のほうが軽い印象になります。「そうは言っても、実際は少しだけ」という意味を表す場合は、通常「といっても」を使います。

「〜とはいえ」は他人を批判するときにも使えますか?

使えます。相手を全面的に否定したくない場合によく使われます。相手の立場、努力、一部の成果を先に認め、その後で残っている問題を指摘します。
例えば「初心者とはいえ、確認は必要だ」は、相手が始めたばかりであることを認めていますが、基本的な確認は必要だと示しています。「初心者でも確認しなければならない」と直接言うより少し緩衝がありますが、後項の規則は明確です。

「〜とはいえ」はJLPT N1文法ですか?

多くのJLPT教材では、「〜とはいえ」をN1文法として扱っています。試験では、中国語の意味だけでなく、「といっても」「けれども」「ものの」とのニュアンスの違いが問われる可能性があります。
読解では、前項で何を認めているかを先に確認し、後項でどのような制限を加えているかを見ます。後項が、前項をそのまま結論にすることを防いでいる場合、「〜とはいえ」が適切な選択肢である可能性が高くなります。

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